魚をしめる場合、小型の魚であれば包丁をエラから差し込み動脈や脊髄を切断します。ブリなどの大型の魚では大人でも押さえつけるのは難しいので、先に頭部を殴打し、動きを止めてからやはり動脈・脊髄を切断します。
この方法は、ブランド化されて一躍有名になった「関サバ」にも使われています。関サバは1尾5,000円ほどという、およそサバらしくない値段をもつ高級な魚です。関サバの漁獲には網は使わず、釣り糸と釣り針だけで一本釣りし、船の小さな水槽に入れて生きたまま漁港の生簀まで運びます。その後、網で取り上げると擦れて魚体に傷がつくため、泳いでいる姿だけでセリをする面(つら)買いといった変わった方法で取り引きされ、その後1尾ずつしめて出荷します。
このような非常に丁寧な扱いによって、サバであるにもかかわらず刺身で食べられる品質が維持されています。ところが、この関サバであってもやはり窒息死させれば品質の低下が著しくなってしまうことがわかっています。
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