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日本近海での漁獲量が年々減少する中、今まで全く利用されていなかった、利用度の低い水産物の有効利用が求められています。このような背景の中で、低・未利用水産物の有効利用法に関する研究を進めています。
イカやホタテ貝は食用原料として極めて重要な資源ですが、肝膵臓を含む内蔵の大部分は廃棄されているのが現状です。この理由として、軟体動物の肝膵臓にはカドミウム(Cd)が特異的に多く含まれるために食品や餌肥料への利用ができないからです。さらに、ホタテ貝は時期により有毒化することも知られており、これも利用を妨げる大きな理由となっています。
そこで、これら軟体動物残滓からCdや毒素を除去する方法と、除去後の残滓から、発酵法を用いて調味料や餌肥料等を開発する技術を確立し、水産資源の有効利用に役立てようと研究を行っています。
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グロ−バルCOEプログラム研究の重要な柱の一つとして、完全養殖クロマグロの肉質と安全性に関する研究を当研究室で担当しています。近大水産研究所で生産した完全養殖クロマグロを用い、成長段階、季節、飼育環境、貯蔵条件などが色、硬さ、味、栄養成分、細菌数などの品質に関する項目にどのような影響があるか、天然クロマグロとはどう違うかなどを調べ、肉質の改善に結びつけるための研究を行っています。
また、マグロ類の肉には、多量の水銀が蓄積することが知られており、餌料や内臓を含めた部位毎の水銀分布などを調査し、安全性の高いクロマグロの生産に役立てるための研究を行っています。
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魚がかまぼこなどのねり製品に姿を変える(加工される)とき、魚肉タンパク質にはどのような化学変化が起こるのか、またその変化に関わる酵素などの諸因子を調べ、かまぼこの品質改善と未利用資源の開発に役立つような研究をしています。
また、市販のねり製品の物性や呈味成分を分析し、産地や製法、等級による違いを明らかにするとともに、望みの品質の製品を作り出す技術の開発を行っています。さらに、冷凍肉を水産食品の加工用原料とするための、技術開発も行っています。
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死後の魚のおいしさは魚の種類によって相違します。その理由を、味成分や歯応えなどの死後変化の違いから調べており、歯応えと筋肉組織のコラーゲンとの関係についても研究しています。また、刺身などの生食用魚介類を品質を保ったまま、長期間貯蔵する技術の開発を行っています。
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